幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
「・・・!」

「・・・平!」



「修平!」


「ん・・・依子?」



俺、大路修平は目を覚ました。


そこは俺と依子が出逢った町だった。
高校の帰り道。
二人で話しながら歩いた道。
見慣れた場所だった。


「やっと起きた」

「あれ?俺、寝てた?」

「うん」

依子は笑うと抱きついた。

俺は自分の腕の中に入ってきた依子を抱き締め返す。

「依子。逢いたかった」

「私も。私も修平に触れたかった」

「依子」

「修平ー」

俺を見上げる依子を見下ろし、抱き締めていた手を緩めた。
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