君を見つけた。
視線の先。《めぐみside》
今日は、みんなが楽しみにしていた体育祭。
暑くて、騒がしい。そんな体育祭。
私、中原めぐみ(なかはらめぐみ)の視線の先。
入学からずっと目で追ってきた先輩がいる。
名前は、中城蒼真(なかじょうそうま)先輩。
1学年上の、高校2年生。
学年も違うし、クラスももちろん違う。
接点なんか一つもないけど、
ただ、廊下ですれ違っただけ。
それだけで、一目惚れしてしまった。
先輩には、絶対に手は届かないと思っていた。
だけど………
「めぐみ、見つけた」
私の目の前には微笑む先輩の顔。
確か、今は借り物競走中のはず。
先輩が、私に用事?
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