君を見つけた。
「えっと、先輩……探しものですか?」
何年振りだろうか、めぐみと話したの。
はぁーー、話しただけでかわいー。
やばいだろ、俺。末期だ。
「うん。めぐみ、来て」
もっと、めぐみに近づきたくて、
ぎゅっと握った手は柔らかい。
俺が手を握ったと同時に頬を赤らめるめぐみ。
「先輩っ、期待して、いいですか?」
そのまま告げられた言葉は俺を喜ばせるには充分だ。
「うん。期待していいよ」
俺たちが通う学校に伝わるジンクス。
借り物競走で借りて、
──────頬に口付けた先輩後輩は結ばれる。
そのジンクス通りあれは行動した。
めぐみの頬は柔らかくて、
俺の方が赤面した、2度目の体育祭。
2度目の体育祭は、やっぱり悪くないかもしれない。
END