課長のケーキは甘い包囲網

「え?田崎さんがいいんですか?どうして、また……もしかして面接の時のはなしで?」

 人事担当の須田が俺の顔を見ながら言った。

「ああ、彼女は面白い。近くにいたら退屈しなさそうだ」

 須田が呆れた顔をして見ている。

「沢島課長。何ですか、その理由。確かに面接爆笑しましたけど、使えるかは別ですよ。久しぶりにうちの部で女子と男子両方取るんですから。直接全員面接したんですし、人事は青田買いが許されるんですよ。他にも使えそうな子いるでしょ」

「いや、彼女は使えるよ。コンビニでの対応を見ていたが、根性がある。あのちょっとおかしな感じもいい。うちは忙しいから、お笑いは部内の活性化に必要だよ」

「まあ、確かにそうですけど。武田はお笑いとは真逆ですもんね。ラグビー部出身とかで体育会系だし。ただ、体力はありますよ、きっと」

「じゃあ、須田の力仕事は大半が武田に代わってもらえそうじゃないか」

「ええ。嬉しいですよ、やっと……」
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