課長のケーキは甘い包囲網
「いやあ、田崎さん。これからよろしくね」
「はい!誰よりも春日課長を歓迎します!」
「おい、田崎。何をにこにこしてるんだよ」
「え?」
沢島課長が私を睨んでる。伏見さんが笑ってる。
「ああ、田崎さんを獲られちゃいますね、大丈夫ですか、沢島課長」
「……ああ、そうだな。こいつをいじれなくなると俺は病気になるかもしれないな」
「……おい、沢島。お前、何言ってんだ」
春日課長が呆れた顔をして彼を見た。それはそうだよね。
「いやあ、俺達の漫才が見られなくなってみんなが寂しいのはわかるからさ」
「そうですね、寂しいですよ、課長」
武田君も笑いながら答えた。
「来週から俺はいなくなるが、みんなは元気に頑張ってくれ」
そう言うと、ふたりで打ち合わせ室へ入っていった。