課長のケーキは甘い包囲網
「……沢島お前。わかっていながら何故新人をよこさない」
「それはそうだな、うちは去年我慢したし、今年はいいだろ?」
春日は、桜井の横にいる田崎を見て言った。
「ああ、あのポニーテールの子がここの新人女子か?なんか、お嬢様風だな」
「うん、そうだな。家柄はまあそうらしいが、中身は結構天然で面白い」
春日は俺を見ながら言った。
「珍しいな。お前がそんな風に笑うの久しぶりに見た。よほど気に入っているのか?」
「いや、お笑い担当も兼ねて入れたんだ」
「はあ?何だそれ?」
俺はニヤリと笑うと、春日を見た。
「まあ、俺も焼きが回ったかな。疲れがたまってどうやら正常に頭が働かなくなってきたかもしれん」