課長のケーキは甘い包囲網
「やっと、いらっしゃいましたね。お待ちしてました。春日君から連絡をもらっていたのよ」
「ええ!?」
「初めまして。私が澄川有紀です」
「あ、田崎すみれです。突然伺ってすみません」
「いいえ。この名刺を持った人で田崎さんという人が私を訪ねてきたら必ず呼んでと言ってあったの」
名刺をひらひらさせながら笑う。綺麗な人だ。髪を帽子に入れているけど、表情だけでわかる。
「少しだけ休憩をもらってきたので、こちらへどうぞ」
そう言って彼女についていくと、カフェの端の方の席へ案内された。
そして、メロンのケーキを持ってきてくれた。ハーブティーも一緒だ。
「これが新作です。どうかしら?」