課長のケーキは甘い包囲網
それって、私の誕生日ってことだよね?その日にもしかしてプロポーズしてくれるっていうこと?
私は嬉しくて涙が止まらなかった。彼は私の横に来るとそっと私を抱き寄せた。泣き止むのを待って言ってくれた。
「今日は色々ありがとう。嬉しかったよ、すみれ」
「誕生日のプレゼント何がいいかわからなかったから、明日一緒に何か見に行きましょう」
「俺のプレゼントはいい。でも、ふたりでペアのものを選びたいから明日一緒に行こう」
「腕時計とか?」
「もっと大切なやつだよ。来月までに注文して作りたいんだ。これからも俺の側でこのえくぼを見せてくれ」
彼は私の笑顔を見て、頬のえくぼを撫でたのだった。
fin.