課長のケーキは甘い包囲網
「別に心配いらない。お前と合意の元、色々やればいいんだよ」
「……?何を?誰と?私が部屋にいるとき誰か連れてきて何かするんです?それだけはやめて下さい」
「だーっ!お前は一体何を考えている?」
「え?課長こそ何考えてんですか?とにかくわかりました。私達は考えていることが違いすぎるので、同居はうまくいかないと思います。よって、お互いのためにこの考えはなかったことにしましょう。以上です」
演説終了。胸を張って言い終わると、私は満足して笑みを浮かべた。課長は私を見て、何やら両手をぎゅっと握り、下を向いてフルフルと頭を振って怒ってる?どうしたの?
「ああ、うるさい!いいか、とにかく明後日土曜日、十二時お前のアパートへ迎えに行く。荷物をまとめておけ。いいな」
ビシッと私の前に人差し指を出して顔にむかって突きつけた。そしてため息をつきながら勝手に出て行ってしまった。
「……何あれ?はあ?うるさいって何?」
私こそ大きなため息をついて、部屋を出た。真面目に考えるだけ損だ。ああいうわけのわからない人は無視するに限る。
社会に出て学んだことだ。大学にもそういう人がいた。接点を作らなければいいのだ。