課長のケーキは甘い包囲網

「じゃあ、田崎すみれさん。最後の質問だ。君はこの会社に入って何をしたい?」

「私は……新しい商品を栄養学的に考えたりして作ることは出来ないかもしれませんが、消費者代表として働いていたコンビニスイーツと味を比べることができると思います。味見担当として新しい商品の開発に参加できたら嬉しいです。そして大好きなこの会社の商品をみんなに売りまくります」

「「「あははー!」」」

 真面目に答えたつもりが目の前の三人の面接官は笑い出した。隣の他の学生も下を向いて笑ってる。

「いや、君は面白い。ごめん、ごめん、本気で答えているのはわかるんだけど……他にやりたいことはある?」

 むう。どうせ、馬鹿ですよ。

「……特にありません」

 むっとして答えたら、また笑われた。もう、何なのよ。

「お疲れ様」

「……ありがとうございました」
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