課長のケーキは甘い包囲網

「迷惑なら速攻追い出してるけどな。お前は話が面白いし、この生活はちょっとドキドキして楽しいぞ」

「……何がドキドキなんですか?」

「お前は無防備だからな。風呂上がりに髪の毛をあげてうなじ丸見えでうろうろしたり……俺はドキドキしながらも上司としてちゃんと我慢しているんだ。えらいだろ」

 胸を張ってえらそうに言う。もう、そういうところからして私にその気じゃないってよくわかる。

 最近は、夜時間があるとリビングでふたり話をしながら飲んだりして、すっかり家族モードだ。

 私には料理の得意なお兄ちゃんがいたので、課長はお兄ちゃんに見えますと言ったら、嫌な顔された。

 でも私の中では確実にそのポジションに課長は収まった。
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