課長のケーキは甘い包囲網

「嫌ですよ。バースデーケーキなんですから、今日食べないと……そして明日も食べるんですよ。こんな大きなケーキふたりで食べるんですから、毎日食べますよ」

「……好きにしろ。とりあえず、俺の食事はもういい。ケーキのデコレーションをしてくるので、お前は食事終わったらそっちの後片付けを頼みたい」

「了解しました。ついでにコーヒーも入れておきます」

「それはまだいい。とにかく、先に食べて片付けろ」

「はーい」

 片付け終わって課長の方を見たらすごい!

 ケーキ屋さんのようにスポンジケーキを乗せる台のうえで回しながらホイップを付けている。

 ソースもいつの間にか出来上がって、ケーキの中段は二層になっていた。

「あー、すごく綺麗。師匠、手際が良すぎる。さすが、パティシエ。嘘じゃなかったんですね」
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