なぜか、溺愛される１日を繰り返しています。

☆☆☆

「なんで！？」


目が覚めた時舞は自分のベッドの上にいた。
だけど仕事場からアパートまで帰ってきた記憶がない。

聡とアドレス交換をして、そのまま別れた。
ここまでの大きな変化は今までなかったから、《今日》はもう終わるんじゃないかと期待していた。

けれど高架下を通っていたとき、またも舞は《今日》の朝に戻ってきてしまったのだ。
てっきりループから抜け出せるものと思っていたのでそのショックは大きかった。

ベッドの上に上半身を起こしてガックリとうなだれる。
そのとき、スマホのアラームが鳴り始めた。

念の為に日付を確認すると、やはり５月１５日だ。


「もう５回目だよ！？」


誰もいない部屋の中で悲痛の声を上げる。
その声は空気にとけて消えていった。
声を上げた勢いで涙が出そうになってグッと目に力を込めて押し込める。