なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
「なにかあった?」

「別に、なにも」


だからそれは言えないんだってば。
心の中で呟きつつ、視線を自分のお弁当へ落とす。

隣に座った聡はコンビニのパンとお茶を準備してきたみたいだ。


「あの、よかったら食べますか?」


パンの袋を開けようとしていた聡へ舞はお弁当を差し出す。


「え?」


聡が驚いた顔を見せる。
舞は慌ててお弁当をひっこめて苦笑いを浮かべた。


「ご、ごめんなさい。なんでもないです」

「いいの!?」


舞の言葉を遮るようにして聡が言う。
その目はまるで子供みたいにキラキラと輝いている。
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