なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
それでも聡の顔を見ることはできず、白衣の左胸についているネームばかりに視線を向ける。


「俺、長谷川さんのことが好きです!」


突然の告白。
地球が爆発する音が舞の頭の中に響き渡り、平穏な毎日が崩れ落ちていく。
聡の顔は真っ赤に染まっているのでこの告白が嘘だとは思えなかった。

舞の顔まで同じように真っ赤に染まっていく。


「あの……私……その……」


しどろもどろになってなにが言いたいのか自分でもわからなくなってくる。
舞は勢いよく頭を下げてダッシュで駆け出した。

後ろから聡が声をかけてくるけれど立ち止まることはなかった。
人生で初めての告白。

しかも童顔医師の鈴木が相手だなんて……!!
信じられない思いで高架下をくぐったとき、舞はハッと目を覚ました。

上半身をベッドから起こすと心臓がドクドクと早鐘を打っているし、呼吸まで乱れている。
まるでついさっきまで聡から逃げて走っていたような感覚が、リアルに手足に残っていた。

その直後にスマホのアラームが鳴り始めて舞は飛び上がらんばかりに驚いた。
慌ててサイドテーブルへ手を伸ばしてアラームを止める。

時刻は6時30分。
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