なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
「け、喧嘩って、どうして!?」


あからさまに慌て始める知明に彩は大きくため息を吐き出した。


「いやごめん。喧嘩じゃなくて、私が一方的に怒って帰っただけかも」


冷静になればそっちの方が正しい。
どれだけ知明に質問されても、ちゃんと答えなかったんだから。

もしそれがループの原因だとすれば、ここでしっかり問題を解決しておかないと明日もまた6月12日になるかもしれない。
慌てた表情をしている知明をジッと見つめる。

この人が私の友達と浮気しているなんてちょっと考えられない。
だけど、だからこそ人目を盗んで密会している可能性もあるわけだ。

彩は大きく息を吸い込んでそして吐き出した。


「あのね知明。私見たの」

「見たって、なにを?」

「知明がチカゲと歩いてるところ」
< 42 / 92 >

この作品をシェア

pagetop