なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
第3話 由佳の場合
代償
今日は1日本当によく晴れて、小松達也とのデートにもなんの不服もなかった。
普段とは違って少し遠出をして海の見えるレストランに入って、食事をして、そして今、海岸をふたりで散歩しているところだった。
日はとっぷりと暮れて夜景が海面に映し出されて幻想的な美しさを演出している。
7月上旬の夜は歩きやすく、暑くもなく寒くもない気温で、ちょうどよかった。
海岸にはちらほらと自分たちと同じようなカップルの姿が見えるけれど、みんな静かにさざなみにかき消されてしまうんじゃないかと思うような声で会話している。
きっと、周囲にいるカップルたちの邪魔をしないようにしているんだろう。
ふたりで黙り込んでいても波の音が心地よく聞こえてくる。
「由佳」
不意に達也が立ち止まったので村田由佳も同じように立ち止まった。
海風がふいて由佳の白いワンピースのすそをはためかせる。
由佳は無言で達也の顔を見つめた。
達也の肌は街頭とネオンのせいで色々な色に変化している。
普段とは違って少し遠出をして海の見えるレストランに入って、食事をして、そして今、海岸をふたりで散歩しているところだった。
日はとっぷりと暮れて夜景が海面に映し出されて幻想的な美しさを演出している。
7月上旬の夜は歩きやすく、暑くもなく寒くもない気温で、ちょうどよかった。
海岸にはちらほらと自分たちと同じようなカップルの姿が見えるけれど、みんな静かにさざなみにかき消されてしまうんじゃないかと思うような声で会話している。
きっと、周囲にいるカップルたちの邪魔をしないようにしているんだろう。
ふたりで黙り込んでいても波の音が心地よく聞こえてくる。
「由佳」
不意に達也が立ち止まったので村田由佳も同じように立ち止まった。
海風がふいて由佳の白いワンピースのすそをはためかせる。
由佳は無言で達也の顔を見つめた。
達也の肌は街頭とネオンのせいで色々な色に変化している。