なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
☆☆☆

《今日》もまたこの時間がやってきた。
波はとてもおだやかで心地よいさざなみの音が鼓膜を刺激する。

風はおだやかで夜景は綺麗で、これ以上ないシチュエーションが《今日》もまたそこにあった。
達也がここをプロポーズの場所に選んだのも納得だ。

ふたりで並んで散歩をして、そして達也が不意に立ち止まり振り向いた。
その顔には緊張感が張り付いている。

それでも由佳はもう緊張しなかった。
さすがに4度目となると最初のときめきは消え去ってしまった。

達也は砂浜に片膝をついて箱に入った婚約指輪を差し出した。
まるで星のように輝いて見えいたダイヤモンドも、今はこんなものかという印象。

達也が一生懸命選んでくれたものなのに、その感動は本来の半分にも満たなかった。
由佳の胸には不満が大きく膨らんでいく。
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