なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
それなら結婚はやめておこうと言われるかもしれない。
由佳の心臓は緊張で早鐘を打ち始めた。


「俺は由佳にもっとチャレンジしてほしいと思う。きっと由佳は自分を過小評価しているんだと思うから」

「うん……」


それは《昨日》も言われたことだった。


「もっと、自信を持ってほしいと思ってる」

「わかった。努力する」


頷くと、達也が微笑んで足を止めた。


「先に由佳の本音を聞くことができてよかったよ」


やっぱり、振られるんだ……。
そう思って覚悟を決めたときだった。

達也が砂浜に片膝をついた。
そしてポケットから指輪を取り出す。


「そうやって本音を言ってくれるなら、俺も安心です。由佳、俺と結婚してください」


大きな波が押し寄せて、そして帰っていく。
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