愛に恋した私たち。
するりと私の手を離し、彼が口に出す。
「僕が来てよかったですね。それにしても酷い方でしたね。先輩の手、赤くなってる。」
彼は私の手を見ながら言った。
私も見ると、確かに握られた箇所が赤くなっていた。
「痛む様なら保健室へ行くことをおすすめします。」
「いいえ、大丈夫です。助けていただきありがとうございました。」
私は、先にお礼を言うべきだったなと思いながら口を開いた。
「椎名先輩をお助けできて何よりです。」
屈託なく微笑み彼は言った。
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