聖女がいらないなら、その聖女をボクの弟のお嫁さんにもらいます。そして王国は潰れ、ボクたちは幸せになりました、とさ。
「お、おい、待て!そこの子供!」
「エステリア、とりあえずボクの従者と弟を紹介するね。特に弟は君の事本当に大好きなんだけど、憧れのエステリアが居るからテンパってるけど、まぁ、気にしないで」
「は、はぁ……」
「は、はわわ、ど、どうしようリュー……え、エステリア様がち、近くに来る!ああ、し、死んじゃう!」
「近づいただけで死にませんから大丈夫ですヨシュア様」
オスカーがリュシアたちに声をかけているのだが、まるで聞いていない素振りを見せながら背を向けてこの会場を後にしようとしている。
それが余計に気に入らなかったのか、オスカーは近くに居た兵士たちに声をかけ、エステリアとリュシアを先頭にした彼らを足止めさせた。
目の前に突然騎士たちが現れた事により、リュシアの表情が一瞬で変わる。
「……ァ?」
低い声で呟いたと同時、後ろに居た従者であるリューが背後に周り、背中を軽く叩く。
「リュシア様、落ち着いてください。あの王太子がお話があるようですよ」
「聞く気はないけど聞いておこうかな……って言うかまさか僕たちの事知らないなんて言わないよね、オスカー王太子殿は」
「き、貴様ら!話を聞け!まず何者か名乗れ無礼者!」
「……知らないみたいですよ、リュシア様」
「……エステリア、王太子はちゃーんと勉強とかしてるのかな?次期王様なんだよね?」
「……なんとも言えませんね。最近は妹のサシャと逢瀬を楽しむのが日課だったみたいで」
「え、あれエステリアの妹なの?全然見えない……けど、確かに魔力はそっくりだね。ただ――」
リュシアはエステリアと妹であるサシャを何度か見比べてみて、そしてリュシアはそのまま自分の胸に視線を向ける。
サシャは豊満と言っていいほど、大きい胸をしてきて、形も綺麗だ。ただ、まるで娼婦のようなドレスを着ているため、色気のようなモノが漂っている。
エステリアは胸は少し大きく、形が良い。この国の聖女と言われている存在だからこそ、しっかりとした綺麗なドレスを着て、美しい。ヨシュアが好きそうな相手だ。
リュシアは再度、胸に手を当て――つるんとした幼児体型にちょっと、泣いた。
「大丈夫ですリュシア様。俺はあなたのそのぺったんこの胸でもお仕えいたします」
「ねぇ、それ褒めてんの?貶してんのかリュー?」
絶対に貶しているなと思いながら、リュシアはリューの服を鷲掴みにして低い声を上げながら睨みつけるが、相変わらずリューは平然とした顔をしているまで。
ヨシュアは慌てた素振りを見せながら、どうしたら良いのかわからず、とりあえず姉のリュシアとリューを宥めようと身体を必死に動かしている。
相変わらず王太子であるオスカーを見る事はなく。
「き、聞いているのか貴様ら!」
「「聞いてない」」
「なっ……」
リューとリュシアは声を合わせながら同じ発言をした瞬間、とうとう我慢の限界にきたオスカーはサシャの肩を掴み、強く引き寄せると同時に、手を上げて叫ぶ。
「もう良い!その不埒な奴らを捕まえて牢へ――」
『Kneel down lie down』
静かに、ゆっくりと、何かの呪いのような、呪文のような言葉を投げかけた瞬間、突然身柄を抑えようとした騎士たちはその場で崩れ落ち、跪いた。
一瞬、何が起きたのか理解できなかったエステリアだったが、隣に立っていたリュシアは平然と、無表情で、リューも、黙ったまま。
唯一、エステリアの中でヨシュアが常識人に見えたと同時に、先ほどまで後ろに居たはずのヨシュアがエステリアの前に立ち、両手を広げながら彼女を守るように立っていた。
「だ、だだ、大丈夫ですか、え、エステリア、様……」
「え、ええ……私は大丈夫です。あ、あなたは……?」
「ぼ、僕は、大丈夫です……まぁ、襲いかかる前に、姉さんの『竜眼』が発動したから、別に平気だったみたいですけど……ハハッ」
「りゅ、竜眼……ってことはやはり、彼女……いえ、あのお方は――」
エステリアは驚いた顔をしながら、今隣に立っている彼女と、そして自分にあこがれていると言ってくれたヨシュアの正体がすぐに分かった。
一方、何が起きたのか理解が出来ていない王太子のオスカーに向かって、リュシアはフッと笑いながら笑顔で答えた。
「そう言えばご紹介しておりませんでしたね、殿下――私の名はリュシア。リュシア・ヨーギランス・アシュカルテ。こちらは弟のヨシュア・ヨーギランス・アシュカルテ」
「――竜魔王国、竜魔王の娘でございます」
リュシアが静かにお辞儀すると同時に、会場が一瞬にして静まり返ったのだった。
「エステリア、とりあえずボクの従者と弟を紹介するね。特に弟は君の事本当に大好きなんだけど、憧れのエステリアが居るからテンパってるけど、まぁ、気にしないで」
「は、はぁ……」
「は、はわわ、ど、どうしようリュー……え、エステリア様がち、近くに来る!ああ、し、死んじゃう!」
「近づいただけで死にませんから大丈夫ですヨシュア様」
オスカーがリュシアたちに声をかけているのだが、まるで聞いていない素振りを見せながら背を向けてこの会場を後にしようとしている。
それが余計に気に入らなかったのか、オスカーは近くに居た兵士たちに声をかけ、エステリアとリュシアを先頭にした彼らを足止めさせた。
目の前に突然騎士たちが現れた事により、リュシアの表情が一瞬で変わる。
「……ァ?」
低い声で呟いたと同時、後ろに居た従者であるリューが背後に周り、背中を軽く叩く。
「リュシア様、落ち着いてください。あの王太子がお話があるようですよ」
「聞く気はないけど聞いておこうかな……って言うかまさか僕たちの事知らないなんて言わないよね、オスカー王太子殿は」
「き、貴様ら!話を聞け!まず何者か名乗れ無礼者!」
「……知らないみたいですよ、リュシア様」
「……エステリア、王太子はちゃーんと勉強とかしてるのかな?次期王様なんだよね?」
「……なんとも言えませんね。最近は妹のサシャと逢瀬を楽しむのが日課だったみたいで」
「え、あれエステリアの妹なの?全然見えない……けど、確かに魔力はそっくりだね。ただ――」
リュシアはエステリアと妹であるサシャを何度か見比べてみて、そしてリュシアはそのまま自分の胸に視線を向ける。
サシャは豊満と言っていいほど、大きい胸をしてきて、形も綺麗だ。ただ、まるで娼婦のようなドレスを着ているため、色気のようなモノが漂っている。
エステリアは胸は少し大きく、形が良い。この国の聖女と言われている存在だからこそ、しっかりとした綺麗なドレスを着て、美しい。ヨシュアが好きそうな相手だ。
リュシアは再度、胸に手を当て――つるんとした幼児体型にちょっと、泣いた。
「大丈夫ですリュシア様。俺はあなたのそのぺったんこの胸でもお仕えいたします」
「ねぇ、それ褒めてんの?貶してんのかリュー?」
絶対に貶しているなと思いながら、リュシアはリューの服を鷲掴みにして低い声を上げながら睨みつけるが、相変わらずリューは平然とした顔をしているまで。
ヨシュアは慌てた素振りを見せながら、どうしたら良いのかわからず、とりあえず姉のリュシアとリューを宥めようと身体を必死に動かしている。
相変わらず王太子であるオスカーを見る事はなく。
「き、聞いているのか貴様ら!」
「「聞いてない」」
「なっ……」
リューとリュシアは声を合わせながら同じ発言をした瞬間、とうとう我慢の限界にきたオスカーはサシャの肩を掴み、強く引き寄せると同時に、手を上げて叫ぶ。
「もう良い!その不埒な奴らを捕まえて牢へ――」
『Kneel down lie down』
静かに、ゆっくりと、何かの呪いのような、呪文のような言葉を投げかけた瞬間、突然身柄を抑えようとした騎士たちはその場で崩れ落ち、跪いた。
一瞬、何が起きたのか理解できなかったエステリアだったが、隣に立っていたリュシアは平然と、無表情で、リューも、黙ったまま。
唯一、エステリアの中でヨシュアが常識人に見えたと同時に、先ほどまで後ろに居たはずのヨシュアがエステリアの前に立ち、両手を広げながら彼女を守るように立っていた。
「だ、だだ、大丈夫ですか、え、エステリア、様……」
「え、ええ……私は大丈夫です。あ、あなたは……?」
「ぼ、僕は、大丈夫です……まぁ、襲いかかる前に、姉さんの『竜眼』が発動したから、別に平気だったみたいですけど……ハハッ」
「りゅ、竜眼……ってことはやはり、彼女……いえ、あのお方は――」
エステリアは驚いた顔をしながら、今隣に立っている彼女と、そして自分にあこがれていると言ってくれたヨシュアの正体がすぐに分かった。
一方、何が起きたのか理解が出来ていない王太子のオスカーに向かって、リュシアはフッと笑いながら笑顔で答えた。
「そう言えばご紹介しておりませんでしたね、殿下――私の名はリュシア。リュシア・ヨーギランス・アシュカルテ。こちらは弟のヨシュア・ヨーギランス・アシュカルテ」
「――竜魔王国、竜魔王の娘でございます」
リュシアが静かにお辞儀すると同時に、会場が一瞬にして静まり返ったのだった。