【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
 王女の一日のスケジュールはこうだ。

 起床後身支度を整え、軽い散歩の後朝食を取る。
 それから教師についてこの国の歴史や一般的な教養を学ぶ。
 その後昼食と食事休憩。午後も舞踊や音楽、絵画など芸事を学びセンスを磨く。
 しばし自由な時間を経て、王妃や陛下と一緒に夕食を楽しむ。
 最後に沐浴と一日の復習をこなし、夜九時には眠りにつく。

 たまに陛下や王妃様と外出されることもあるようだけど、大体毎日同じスケジュールの生活をこなしており、概ね健康的な生活と言えるだろう。当たり前と言えば当たり前だが、特に体に異常をきたすような習慣も見受けられなかった。

「――ねえ、エルシア。セーウェルトのこと教えて?」

 夕食後、自分の部屋に戻ったミーミル様に私はせがまれて話をしてあげる。

「はいはいミーミル様。私は王都のことしか知りませんが、建物は全部真っ白。東には王城、西には城と同じくらい大きな大聖堂があって。毎日多くの観光客と参拝者が訪れています。食事の後と夕方に皆お祈りを捧げるんですよ。街では犬や猫がよく飼われています」
< 120 / 471 >

この作品をシェア

pagetop