【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「ミーミル様がセーウェルトに来られるようになれば、私はいつでも歓迎いたしますよ」
「本当!?」

 もちろん本当だと、私はミーミル様を後ろから抱えて頷く。
 彼女が大きくなるまでに、両国の関係性が改善されていることを切に願う。
 そんな事を思っていた時、小さな体がぶるっと震えた。

「……けほ」
「……どうしましたか?」

 苦しそうに息を詰まらせた彼女の顔を後ろから覗き込もうとすると、その身体が突然ぐらりと傾く。

「ミーミル様!? これは……ベッカーに連絡してください!」
「は、はいっ!」

 急にぐったりした王女に驚いた私は傍にいた侍女に頼むと、彼女の容態を確かめる。
 いつの間にか発疹も出て、酷く汗をかいている。
 沐浴後で体温が上がっていたため気付かなかったが、熱も高い。
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