【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
憧れの王都観光が待ち遠しくて仕方がなく、きらきらと目を輝かせる私にベッカーは苦言を呈す。
「喜ぶのは構わんが、外に出てもあんまり殿下のお手を煩わせるんじゃないぞ」
「わかってますって。そういえば、もうひとつの用事ってなに? またこないだみたいにやって欲しいことでもあるの?」
仕事終わりにここに来るよう声を掛けられたのだが、その時も他にもなにかあるような口振りをしており、ちょっと気になっていたのだ。すると彼は口ごもる。
「いや別に、そういうことではない……」
「じゃあ何なの? はっきり言えばいいじゃない」
煮え切らない様子に眉を顰めた私に、彼は少し口を尖らせて言う。
「その……薬草園に連れて行ってやろうと思っていたのだ」
「えっ、あるの薬草園!?」
そんなことを聞いて黙っていられる私ではない。途端に彼の元に詰め寄る。
「喜ぶのは構わんが、外に出てもあんまり殿下のお手を煩わせるんじゃないぞ」
「わかってますって。そういえば、もうひとつの用事ってなに? またこないだみたいにやって欲しいことでもあるの?」
仕事終わりにここに来るよう声を掛けられたのだが、その時も他にもなにかあるような口振りをしており、ちょっと気になっていたのだ。すると彼は口ごもる。
「いや別に、そういうことではない……」
「じゃあ何なの? はっきり言えばいいじゃない」
煮え切らない様子に眉を顰めた私に、彼は少し口を尖らせて言う。
「その……薬草園に連れて行ってやろうと思っていたのだ」
「えっ、あるの薬草園!?」
そんなことを聞いて黙っていられる私ではない。途端に彼の元に詰め寄る。