【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
踏むと爆発したような音を出すという、レモン色の種を私は爪先でそっとどけた。知らない物が色々あり過ぎて目移りする。
ローエンさんのレクチャーを受けながらしばらく歩いていると、黄色いペンキで塗られた縁石に囲まれ、小さなガラス張りの温室で隔離された区域が目に飛び込んできた。
「あれは……?」
私が尋ねると、彼はその近くまで連れて行ってくれる。
「あれは、竜木という植物で、みだりに触れると危険なので隔離しています。ここでは火気厳禁なのも覚えておいてください」
「そうだぞ。間違ってもあの中に入ろうなどと考えるなよ」
温室の中に生えた一本の木。その幹の色は鮮やかな赤色で、明らかに異質な雰囲気を放っている。隣で険しい目をしていたベッカーに、私は興味があったので詳細を聞いてみた。
ローエンさんのレクチャーを受けながらしばらく歩いていると、黄色いペンキで塗られた縁石に囲まれ、小さなガラス張りの温室で隔離された区域が目に飛び込んできた。
「あれは……?」
私が尋ねると、彼はその近くまで連れて行ってくれる。
「あれは、竜木という植物で、みだりに触れると危険なので隔離しています。ここでは火気厳禁なのも覚えておいてください」
「そうだぞ。間違ってもあの中に入ろうなどと考えるなよ」
温室の中に生えた一本の木。その幹の色は鮮やかな赤色で、明らかに異質な雰囲気を放っている。隣で険しい目をしていたベッカーに、私は興味があったので詳細を聞いてみた。