【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
見た目が柔和なので今一迫力に欠けてはいたが、彼はベッカーにしっかり言い含めた後、こちらへと笑顔で振り返る。
「ということなので、なにか不満があれば僕に伝えてください。彼によく言い聞かせておきますから」
「ありがとうございます! ローエンさん!」
「どうして我輩にだけ敬語を使わんのだ……」
頼りになる仲間ができ、喜ぶ私に不満そうなベッカー。
一通り薬草園の案内が終わったので小屋へと戻る道すがら、彼が神妙な顔で尋ねてきたのは、またしても陽炎草についてである。
「なあエルシア。薬の方はある程度確保できたが、陽炎草をこの国で育てるといったことは不可能なのか? 当然我々も悪用するつもりなどははない。重要な機密とし、この王家の薬草園から外に出さぬことは約束する。もしよかったら栽培法を教えてもらえないか」
「……それは、ベッカーさん。少し彼女に甘え過ぎな気も……」
頼みごとばかりになるのを気にしたのか、ベッカーを諫めようとするローエンさん。しかし彼は譲らない。
「ということなので、なにか不満があれば僕に伝えてください。彼によく言い聞かせておきますから」
「ありがとうございます! ローエンさん!」
「どうして我輩にだけ敬語を使わんのだ……」
頼りになる仲間ができ、喜ぶ私に不満そうなベッカー。
一通り薬草園の案内が終わったので小屋へと戻る道すがら、彼が神妙な顔で尋ねてきたのは、またしても陽炎草についてである。
「なあエルシア。薬の方はある程度確保できたが、陽炎草をこの国で育てるといったことは不可能なのか? 当然我々も悪用するつもりなどははない。重要な機密とし、この王家の薬草園から外に出さぬことは約束する。もしよかったら栽培法を教えてもらえないか」
「……それは、ベッカーさん。少し彼女に甘え過ぎな気も……」
頼みごとばかりになるのを気にしたのか、ベッカーを諫めようとするローエンさん。しかし彼は譲らない。