【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「妹がいましたけど、あんまり仲は良く無かったですね」
何となく気を使ってそう答えた私に、ミーミル様は遠くを眺めながら小さく呟く。
「兄妹って、そういうものなのかな……」
おそらく、殿下との間柄を気にしているのだろう。そんな彼女の紫色の瞳は、なんだかぼんやりとして、つまらなそうな色が浮かんでいる。
なんとも寂しそうな表情をした彼女の身体に後ろから手を回すと、私はゆりかごの様に身体を小刻みに揺らした。
「そんなことないですよ。お互いが特別な存在だから、気を使って遠ざけてしまうこともあるでしょうし。ミーミル様は、殿下のことが苦手なのですか? あ、無理に答えなくてもいいですけど……」
すると彼女は、小首を傾げ、しばらく悩んでから答えてくれた。
「わからないの……。お兄様、ずっと前はもっと優しくしてくれてた。でも最近は、私の話を全然聞いてくれないし、会いに行っても、扉を開けてくれないの。私は……」
何となく気を使ってそう答えた私に、ミーミル様は遠くを眺めながら小さく呟く。
「兄妹って、そういうものなのかな……」
おそらく、殿下との間柄を気にしているのだろう。そんな彼女の紫色の瞳は、なんだかぼんやりとして、つまらなそうな色が浮かんでいる。
なんとも寂しそうな表情をした彼女の身体に後ろから手を回すと、私はゆりかごの様に身体を小刻みに揺らした。
「そんなことないですよ。お互いが特別な存在だから、気を使って遠ざけてしまうこともあるでしょうし。ミーミル様は、殿下のことが苦手なのですか? あ、無理に答えなくてもいいですけど……」
すると彼女は、小首を傾げ、しばらく悩んでから答えてくれた。
「わからないの……。お兄様、ずっと前はもっと優しくしてくれてた。でも最近は、私の話を全然聞いてくれないし、会いに行っても、扉を開けてくれないの。私は……」