【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
 その先は言葉に出来ず、ミーミル様はくるりと身体をこちらに向け、私の胸に顔を埋めた。寂しいのか、すんすんと鼻をすする音がする。

「大丈夫……その内また、笑って話せる日が来ますよ」

 その時、私は彼女にこんな月並みな言葉を掛けるしか出来なかった。
 しかしそれすら、妹との和解の糸口すら見つけられていない今の私にとってひどくおこがましくて……自分自身で、そんなのはいつなのだと疑問に思ってしまう。

 結局、その後安心したようにミーミル様は腕の中で眠ってしまい……その頭を撫でていた私はふうと、夕焼け空にささやかな溜息を逃がしたのだった。
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