【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
そして、私の手からひょいと腕輪が持ち上げられ、それは彼の腕にすんなり収まった。
「ありがとう。大切にするよ……君と初めて一緒に出掛けた記念に」
「え、いえいえ。受け取って下さっただけで十分ですから」
「ううん、大切にする」
彼はしばし口元を抑えていた手を離すと、じっとこちらを見つめて強調するように言う。そんな風に真剣に見つめられると、如何に薬マニアで男性に興味がない私でもドキドキする。
しばらくその場で見つめ合ってしまう私たち。
しかし、その間を路地の合間から照らし出した夕日の光が裂くようにして遠ざけた。
眩し気に目を細めた私に殿下が表情を緩める。
「……もうこんな時間か。そろそろ城に戻らないとね」
「そ、そうですね。今日は本当にありがとうございました!」
「礼には及ばないよ。僕だって……いや、僕の方こそ楽しかった」
「ありがとう。大切にするよ……君と初めて一緒に出掛けた記念に」
「え、いえいえ。受け取って下さっただけで十分ですから」
「ううん、大切にする」
彼はしばし口元を抑えていた手を離すと、じっとこちらを見つめて強調するように言う。そんな風に真剣に見つめられると、如何に薬マニアで男性に興味がない私でもドキドキする。
しばらくその場で見つめ合ってしまう私たち。
しかし、その間を路地の合間から照らし出した夕日の光が裂くようにして遠ざけた。
眩し気に目を細めた私に殿下が表情を緩める。
「……もうこんな時間か。そろそろ城に戻らないとね」
「そ、そうですね。今日は本当にありがとうございました!」
「礼には及ばないよ。僕だって……いや、僕の方こそ楽しかった」