【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「メイア、この子は! まったく、エルシア様もお甘いのですから……」
嬉しそうに顔を綻ばせたメイアに、ため息を付くミーヤ。
時には殿下の隣にいたことを覚えてくれていた街の人たちに話しかけられたりもしつつ、無駄話をしながら私たちは移動し、辿り着いた白い建物の扉を潜ると、受付の女性に話しかけた。
「あの、すみません。私、エルシア・ランダルバートと申します。院長様にお目通り願いたいのですけれど」
「ああ。伺っております……どうぞそちらへ」
女性はすでに件の院長から話を聞いていたらしく、案内の人に誘導させて私をある部屋に連れて行く。
この病院も王都の大聖堂と似たり寄ったりの規模だ。しかし院内の装飾は品よく纏められているものの、そう贅を尽くしたものではなく、なんとなく経営者の人格が窺える。
「プリシラ院長。エルシア嬢をお連れしました。お入り頂いてよろしいですか?」
「ああ、入れてやりな」
案内の人が掛けた声に返ってきたのは、やや威圧感のある濁声だった。
嬉しそうに顔を綻ばせたメイアに、ため息を付くミーヤ。
時には殿下の隣にいたことを覚えてくれていた街の人たちに話しかけられたりもしつつ、無駄話をしながら私たちは移動し、辿り着いた白い建物の扉を潜ると、受付の女性に話しかけた。
「あの、すみません。私、エルシア・ランダルバートと申します。院長様にお目通り願いたいのですけれど」
「ああ。伺っております……どうぞそちらへ」
女性はすでに件の院長から話を聞いていたらしく、案内の人に誘導させて私をある部屋に連れて行く。
この病院も王都の大聖堂と似たり寄ったりの規模だ。しかし院内の装飾は品よく纏められているものの、そう贅を尽くしたものではなく、なんとなく経営者の人格が窺える。
「プリシラ院長。エルシア嬢をお連れしました。お入り頂いてよろしいですか?」
「ああ、入れてやりな」
案内の人が掛けた声に返ってきたのは、やや威圧感のある濁声だった。