【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「土地自体が特殊なのか、あまり他では見ないようなものは多いね。茸だけじゃなく、あんなのもあるよ、ベルクローブ」
指差す殿下の頭上の枝には黄色い果実……または蕾のようなものがさくらんぼのように密集している。風が吹く度にシャラシャラ鳴って音が楽しい。
「乾燥させると香料の原料になるんだ。料理によく使われる。よっと……はい」
「ありがとうございます。へ~……」
殿下が手を伸ばして取ってくれたそれを指で潰してみる。
異国的な、独特の甘い香りがした。
その次に案内してくれたのは、陛下が以前言っていた、ジュデット内の史跡の一つである。それは妙な外観をしており、丸い球を半分に割ったような、材質の良く分からない黒い半円が、そのまま地面から生えているような形だ。
「この壁は、何をしても傷がつかなくてね。火にかけたり、巨石を落としてみても駄目だったらしい。雨で劣化するわけでもないし……一体中に何が入っているのか今でも不明なんだ」
「へえ……。あっ、ここだけなんかへこんでますよ?」
指差す殿下の頭上の枝には黄色い果実……または蕾のようなものがさくらんぼのように密集している。風が吹く度にシャラシャラ鳴って音が楽しい。
「乾燥させると香料の原料になるんだ。料理によく使われる。よっと……はい」
「ありがとうございます。へ~……」
殿下が手を伸ばして取ってくれたそれを指で潰してみる。
異国的な、独特の甘い香りがした。
その次に案内してくれたのは、陛下が以前言っていた、ジュデット内の史跡の一つである。それは妙な外観をしており、丸い球を半分に割ったような、材質の良く分からない黒い半円が、そのまま地面から生えているような形だ。
「この壁は、何をしても傷がつかなくてね。火にかけたり、巨石を落としてみても駄目だったらしい。雨で劣化するわけでもないし……一体中に何が入っているのか今でも不明なんだ」
「へえ……。あっ、ここだけなんかへこんでますよ?」