【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「だとしても、どうせお前の身柄はセーウェルト王国のものなのだ。このまま本国へ連れ帰るのに何の躊躇があろう」
「は、離して!」
抵抗しようも、女の細腕では鍛え上げられた兵士に敵うはずはない。自分の無力さを思い知りながら、後ろ手と両足を縄で括られ、地面に跪かされる。
そして男は私の首筋に剣を突き付けた。
「あれほど大きな仕掛けを施したのだ。解毒剤も持っているのだろう? どこにある。それと王太子はどこへ行った?」
「そ、そんなこと……」
「貴様は聖女なのだろう? なら少しぐらいは傷を付けてもよいかもしれんな。自力で直せるかどうか、試してみるか?」
致命的な怪我になる首筋は避け、男の剣が太腿の部分に向けられる。尖った剣先が針のような痛みで肌をちくりと刺した。
「うっ……」
脅しとは分かっていても、耐えがたい痛みが私を襲う。確かに解毒剤はある。でもここでその存在を話せば殿下に危険が……。
「は、離して!」
抵抗しようも、女の細腕では鍛え上げられた兵士に敵うはずはない。自分の無力さを思い知りながら、後ろ手と両足を縄で括られ、地面に跪かされる。
そして男は私の首筋に剣を突き付けた。
「あれほど大きな仕掛けを施したのだ。解毒剤も持っているのだろう? どこにある。それと王太子はどこへ行った?」
「そ、そんなこと……」
「貴様は聖女なのだろう? なら少しぐらいは傷を付けてもよいかもしれんな。自力で直せるかどうか、試してみるか?」
致命的な怪我になる首筋は避け、男の剣が太腿の部分に向けられる。尖った剣先が針のような痛みで肌をちくりと刺した。
「うっ……」
脅しとは分かっていても、耐えがたい痛みが私を襲う。確かに解毒剤はある。でもここでその存在を話せば殿下に危険が……。