【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「君を危険に晒すつもりはなかったのに……もし一歩間違えばどうなっていたのか、わかっているのか!!」
痛いほどに強く肩を掴まれ、私は言葉に詰まる。
彼の怒りは分かる。もし殿下が現れてくれなければ、私はもっとひどい目に遭っていただろう。
でも、それでも私は、素直にその言葉に従えなかった。
私だって、殿下の安否が心配だった。少しでも彼の助けになるかと思って、勇気を振り絞って動いたつもりなのに――。
声が震える。
「そ、そんな風に言わなくても……いいじゃないですか! わ、私だって殿下をお助けしたくて、ちゃんと自分の安全も考えながら、少しでも敵の数を減らせればと思ってやったんです!」
「その結果がさっきのような事態を生んだんだ! 私はそんな事望んではいなかった! それに相手も全員が馬鹿じゃない。頭の回るやつも中にはいる! 私が間に合わなかったら、君は……」
「痛っ……」
指が肩に食い込んだ私の口から悲鳴が漏れる。
ひどく苦しそうに表情を歪めていた殿下は、そこでやっと我に返ったように手を離すと背中を向けた。
痛いほどに強く肩を掴まれ、私は言葉に詰まる。
彼の怒りは分かる。もし殿下が現れてくれなければ、私はもっとひどい目に遭っていただろう。
でも、それでも私は、素直にその言葉に従えなかった。
私だって、殿下の安否が心配だった。少しでも彼の助けになるかと思って、勇気を振り絞って動いたつもりなのに――。
声が震える。
「そ、そんな風に言わなくても……いいじゃないですか! わ、私だって殿下をお助けしたくて、ちゃんと自分の安全も考えながら、少しでも敵の数を減らせればと思ってやったんです!」
「その結果がさっきのような事態を生んだんだ! 私はそんな事望んではいなかった! それに相手も全員が馬鹿じゃない。頭の回るやつも中にはいる! 私が間に合わなかったら、君は……」
「痛っ……」
指が肩に食い込んだ私の口から悲鳴が漏れる。
ひどく苦しそうに表情を歪めていた殿下は、そこでやっと我に返ったように手を離すと背中を向けた。