【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「きっと、お前のことだから殿下を助けようと無茶なことでもしたのではないか? 恐らくだが、それが殿下にとっては怖ろしかったのだろうな。お前は図らずしも、殿下の過去の傷を刺激してしまったわけだ」
「んぐ~……」
思わず、言葉に詰まった私に、楽しそうに笑いだすベッカー。
「はっはっは、これでわかったであろ? 殿下の御怒りは、お前を大切に思えばこそなのだ、よかったではないか。……おやどうした、顔が赤いぞ」
「揶揄うのはよしてよ!」
「揶揄う? 我輩は落ち込んだ部下の心のケアに努めているだけなのだがな?」
「も~……」
殿下のことが分かってほっとしたり、心を開いてくれたと聞いて嬉しかったり、ベッカーに揶揄われて悔しかったりと感情が目まぐるしく変わる中……少し考えた後、私はベッカー自身について尋ねていた。
「ねえ、あなたはどうして医者になったの?」
「んぐ~……」
思わず、言葉に詰まった私に、楽しそうに笑いだすベッカー。
「はっはっは、これでわかったであろ? 殿下の御怒りは、お前を大切に思えばこそなのだ、よかったではないか。……おやどうした、顔が赤いぞ」
「揶揄うのはよしてよ!」
「揶揄う? 我輩は落ち込んだ部下の心のケアに努めているだけなのだがな?」
「も~……」
殿下のことが分かってほっとしたり、心を開いてくれたと聞いて嬉しかったり、ベッカーに揶揄われて悔しかったりと感情が目まぐるしく変わる中……少し考えた後、私はベッカー自身について尋ねていた。
「ねえ、あなたはどうして医者になったの?」