【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
殿下が自分の身を危険に晒してまで助けてくれたように、私だって――あなたを守りたかったのだと、それをちゃんと彼に伝たかった。
「この国に、私を連れてきてくれたのはあなたですよね? あなたは私にとって暮らす場所を与えてくれて、多くの大切な出会いと経験をさせてくれた人で……。私はあなたの事を本当に大切に思ってるんです!」
口から出た大袈裟な言葉に、思わず恥ずかしさを感じ、喉が干上がるような感覚を覚える。けれど私は構わず思うが儘に言葉を紡ぐ。
「身分がある立場だからとか、決してそういうことだけじゃなくて。あなたがどこの誰だって、どんな人だって……もう私にとっては大切な人だから……! 私がそんな人を守りたいと思うのは、そんなに愚かなことなのでしょうか?」
王宮の廊下であることも忘れ、私は殿下に掠れかけた大きな声で告げた。
彼はそれを聞き、難しい顔をして俯く。
答えは返らず、気まずい緊張が二人の間にわだかまる。
責めるようなことを言って、彼を傷つけてしまったのかもしれない。
「この国に、私を連れてきてくれたのはあなたですよね? あなたは私にとって暮らす場所を与えてくれて、多くの大切な出会いと経験をさせてくれた人で……。私はあなたの事を本当に大切に思ってるんです!」
口から出た大袈裟な言葉に、思わず恥ずかしさを感じ、喉が干上がるような感覚を覚える。けれど私は構わず思うが儘に言葉を紡ぐ。
「身分がある立場だからとか、決してそういうことだけじゃなくて。あなたがどこの誰だって、どんな人だって……もう私にとっては大切な人だから……! 私がそんな人を守りたいと思うのは、そんなに愚かなことなのでしょうか?」
王宮の廊下であることも忘れ、私は殿下に掠れかけた大きな声で告げた。
彼はそれを聞き、難しい顔をして俯く。
答えは返らず、気まずい緊張が二人の間にわだかまる。
責めるようなことを言って、彼を傷つけてしまったのかもしれない。