【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
殿下は明るい顔で体を折って笑い、何だか私はすごく恥ずかしくなって縮こまる。
「す、すみません。私夢中で……すごく偉そうなことを言って」
「違うんだよ、素直にそう思っただけさ。でも、そうか……向いてなくても、いいのかもしれないな。魔族の皆なら、こんな僕が王になっても……きっと」
きっと彼の中で何かの折り合いがついたのか……殿下は大きく息を吸い込んで吐き出すと、晴れ晴れとした顔で私に手を差し出した。
「エルシア、僕は仮面を捨てるよ。今から、家族に会いに行こうと思うけど……弱い僕が逃げ出さないように勇気をくれないか?」
「……ええ、喜んで!」
少し眉を下げ、済まなそうに笑う殿下の願いに答えないわけにはいかず、私は深呼吸すると反対側の手を差し出しちょんと乗せる。
そして振り向くと、ドアの隙間から覗いていた二つの視線の主に呼びかける。
「す、すみません。私夢中で……すごく偉そうなことを言って」
「違うんだよ、素直にそう思っただけさ。でも、そうか……向いてなくても、いいのかもしれないな。魔族の皆なら、こんな僕が王になっても……きっと」
きっと彼の中で何かの折り合いがついたのか……殿下は大きく息を吸い込んで吐き出すと、晴れ晴れとした顔で私に手を差し出した。
「エルシア、僕は仮面を捨てるよ。今から、家族に会いに行こうと思うけど……弱い僕が逃げ出さないように勇気をくれないか?」
「……ええ、喜んで!」
少し眉を下げ、済まなそうに笑う殿下の願いに答えないわけにはいかず、私は深呼吸すると反対側の手を差し出しちょんと乗せる。
そして振り向くと、ドアの隙間から覗いていた二つの視線の主に呼びかける。