【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
私はこの場で話そうと思っていた事実を、告げた。
「ミーミル様、私……もうすぐ自分の国に帰るんです」
「え……?」
彼女の涙に塗れた瞳を見つめながら、私は眉尻を下げた。後ろで軽く息を呑んだ気配がする。
「どうしてなの……? ご飯が美味しくなかったから? 誰かに虐められたの? ねえ、どうして?」
彼女はぐいぐいと私の身体を揺すり、私は首を振る。
「違うんですよ。ご飯は美味しかったし、ジュデットの皆も私にとても温かく接して下さって……私はここが大好きになりました。本当だったらずっとここに居たい。そう思えるくらいに」
「だったら! ねえお父様、お母様……エルシアをここに置いてあげてよ! 私の本当のお姉ちゃんにして! 私、勉強もお稽古もいっぱいして、立派な王女になるから! お願い……エルシアをセーウェルトなんかに返さないで!」
「むう、それは……」
「ミーミル……」
「ミーミル様、私……もうすぐ自分の国に帰るんです」
「え……?」
彼女の涙に塗れた瞳を見つめながら、私は眉尻を下げた。後ろで軽く息を呑んだ気配がする。
「どうしてなの……? ご飯が美味しくなかったから? 誰かに虐められたの? ねえ、どうして?」
彼女はぐいぐいと私の身体を揺すり、私は首を振る。
「違うんですよ。ご飯は美味しかったし、ジュデットの皆も私にとても温かく接して下さって……私はここが大好きになりました。本当だったらずっとここに居たい。そう思えるくらいに」
「だったら! ねえお父様、お母様……エルシアをここに置いてあげてよ! 私の本当のお姉ちゃんにして! 私、勉強もお稽古もいっぱいして、立派な王女になるから! お願い……エルシアをセーウェルトなんかに返さないで!」
「むう、それは……」
「ミーミル……」