【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「でも……でも……」
「ミーミル様、今までありがとうございました。私、向こうに妹が居るんです。ミーミル様程年が離れてはいませんし、生意気な妹で仲も悪いですけど。でも、あなたを見ていると、時々そんなことも思い出して……ミーミル様と過ごしているととても楽しかった」
「やだぁ……」
彼女の黒い髪を撫でながら、私は温かい思いに満たされていた。私なんかをこんなに必要としてくれる彼女の傍に居てあげられないのは、やっぱり辛い。けれど、こうして別れなければならないとしても、この出会いが意味の無いものだったなんて、そんなはず、きっとないんだ。
「ミーミル様、人はこうやって、出会ったり離れたりを繰り返すんです。皆、それぞれの生き方があるから。でも、お互いがちゃんと相手のことを想えば、遠く離れてもいつかまた触れ合うことは出来ます。私、向こうに戻ってもミーミル様のこと、ずっと覚えています。そしてまたいつか、ここに会いに来ます。セーウェルト王国とジュデットがちゃんとお互いを認め合える日は絶対に来るはずだから」
「エルシアっ!」
ミーミル様は私にしがみ付いたまま離れない。そして後ろから、私に声が掛けられる。
「ミーミル様、今までありがとうございました。私、向こうに妹が居るんです。ミーミル様程年が離れてはいませんし、生意気な妹で仲も悪いですけど。でも、あなたを見ていると、時々そんなことも思い出して……ミーミル様と過ごしているととても楽しかった」
「やだぁ……」
彼女の黒い髪を撫でながら、私は温かい思いに満たされていた。私なんかをこんなに必要としてくれる彼女の傍に居てあげられないのは、やっぱり辛い。けれど、こうして別れなければならないとしても、この出会いが意味の無いものだったなんて、そんなはず、きっとないんだ。
「ミーミル様、人はこうやって、出会ったり離れたりを繰り返すんです。皆、それぞれの生き方があるから。でも、お互いがちゃんと相手のことを想えば、遠く離れてもいつかまた触れ合うことは出来ます。私、向こうに戻ってもミーミル様のこと、ずっと覚えています。そしてまたいつか、ここに会いに来ます。セーウェルト王国とジュデットがちゃんとお互いを認め合える日は絶対に来るはずだから」
「エルシアっ!」
ミーミル様は私にしがみ付いたまま離れない。そして後ろから、私に声が掛けられる。