【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「……いつ決めたんだい、エルシア」
「……自分でも分かりません。元々は、向こうに帰ることなんて考えもしていなかったから。でも、長くこうしているほど、居心地がいいほど少しずつ区切りを付けていないことが重荷になっていくのを感じてしまって」
「だとしても、急過ぎやしないか……! せっかくこうして私は、これからもっと君とも、家族とも仲良く、出来るとっ……」
「ありがとうございます、殿下」
顔を見ないでも殿下が、悲しんでくれていることは分かった。
旅に出る前は、こんな素敵で、心に残る出会いがあるなんて欠片も考えていなかった。
私はミーミル様のおでこに、そっと自分のものを合わせる。
「ミーミル様、あなたのお兄様はとても素敵な方ですよ。きっとあなたのことも大切にしてくれる。だから、これからまた、少しずつ仲良くしていけませんか?」
「エルシアが居てくれないと……」
「私が居なくてもそうして下さい。そしていつか……ふたりでセーウェルト王国に来て欲しい。そうしたら私、精一杯こちらを案内しますから。セーウェルトだって住みやすくていい国なんですよ」
「……自分でも分かりません。元々は、向こうに帰ることなんて考えもしていなかったから。でも、長くこうしているほど、居心地がいいほど少しずつ区切りを付けていないことが重荷になっていくのを感じてしまって」
「だとしても、急過ぎやしないか……! せっかくこうして私は、これからもっと君とも、家族とも仲良く、出来るとっ……」
「ありがとうございます、殿下」
顔を見ないでも殿下が、悲しんでくれていることは分かった。
旅に出る前は、こんな素敵で、心に残る出会いがあるなんて欠片も考えていなかった。
私はミーミル様のおでこに、そっと自分のものを合わせる。
「ミーミル様、あなたのお兄様はとても素敵な方ですよ。きっとあなたのことも大切にしてくれる。だから、これからまた、少しずつ仲良くしていけませんか?」
「エルシアが居てくれないと……」
「私が居なくてもそうして下さい。そしていつか……ふたりでセーウェルト王国に来て欲しい。そうしたら私、精一杯こちらを案内しますから。セーウェルトだって住みやすくていい国なんですよ」