【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
そして手紙を送らせた者の足取りを辿れば、ジュデット方面に消えていったというのだ。その事はジュデット国内に潜入させていた刺客たちにも共有させていた。そして、今回の事が起きたのだ。
「あの国に聖女がいたとなれば、聖女自身の重大な法律違反もだが、その滞在を許しているジュデット側の手引きがあったとして奴らに抗議する大義名分になる。……が、万が一にでもその聖女の血がジュデット側にて継がれることあらば、聖女を独占している我が国の優位性は大きく失われるのはわかっておろう。此度の失策の責任は……重いぞ!」
「ひっ……!」
彼はおもむろに立ち上がると手にしていた錫杖を持ち上げ、思い切り振り被って私の目の前に叩きつけた。前髪が風に揺れるほどの近くを金属の塊が通り過ぎ、叩きつけられた絨毯の埃を吸って私は大きくむせた。
「ギーツよ、どうするつもりだ。大聖女の資質を見誤ったことに加え今回のことを考えれば、王太子の資格はそちに無いものとも考えられるが?」
「お、お待ちください!」
継承権を剥奪しようとする陛下を私は必死に引き留める。
「あの国に聖女がいたとなれば、聖女自身の重大な法律違反もだが、その滞在を許しているジュデット側の手引きがあったとして奴らに抗議する大義名分になる。……が、万が一にでもその聖女の血がジュデット側にて継がれることあらば、聖女を独占している我が国の優位性は大きく失われるのはわかっておろう。此度の失策の責任は……重いぞ!」
「ひっ……!」
彼はおもむろに立ち上がると手にしていた錫杖を持ち上げ、思い切り振り被って私の目の前に叩きつけた。前髪が風に揺れるほどの近くを金属の塊が通り過ぎ、叩きつけられた絨毯の埃を吸って私は大きくむせた。
「ギーツよ、どうするつもりだ。大聖女の資質を見誤ったことに加え今回のことを考えれば、王太子の資格はそちに無いものとも考えられるが?」
「お、お待ちください!」
継承権を剥奪しようとする陛下を私は必死に引き留める。