【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「うむ、遠路はるばるよく来なされた。儂がこの魔族の国ジュデットの王、ベルケンド・アルヴェ・ナムス・ジュデットである」
「私はその第一子、王太子クリスフェルト・アルヴェ・ナムス・ジュデットだ。どうぞお見知り置き頂きたい。エルシア嬢については説明はいりますまいが……しかし、そちらは?」
(まさか……)
私の視線はギーツ様の隣の一人の女性に釘付けになっていた。ベールを頭に掛け、顔を隠した彼女がゆっくりとそれを外す。そして、私と同じ色の銀色の髪が露わになる。
「こちらは我が国の大聖女、リリカ・アズリット伯爵令嬢だ。そちらのエルシア嬢の妹君にあたる」
「初めまして、ジュデットの高貴な方々。わたくし、リリカ・アズリットと申します。姉が此度は大変お世話になったようで……」
リリカはやつれた顔を上げ、陛下、殿下、そして私の顔を順々に見た。その瞳はどこか暗く、息を呑ませるものがあり、奇しくもここに来る前の疲労した私自身の姿に重なるものがあった。しかし、どうして彼女がここへ……?
「ふむ。リリカ殿、よく参られた……彼女を同席させた理由は聞くまい。ではそちらの席に着かれよ。話を始めよう」
「私はその第一子、王太子クリスフェルト・アルヴェ・ナムス・ジュデットだ。どうぞお見知り置き頂きたい。エルシア嬢については説明はいりますまいが……しかし、そちらは?」
(まさか……)
私の視線はギーツ様の隣の一人の女性に釘付けになっていた。ベールを頭に掛け、顔を隠した彼女がゆっくりとそれを外す。そして、私と同じ色の銀色の髪が露わになる。
「こちらは我が国の大聖女、リリカ・アズリット伯爵令嬢だ。そちらのエルシア嬢の妹君にあたる」
「初めまして、ジュデットの高貴な方々。わたくし、リリカ・アズリットと申します。姉が此度は大変お世話になったようで……」
リリカはやつれた顔を上げ、陛下、殿下、そして私の顔を順々に見た。その瞳はどこか暗く、息を呑ませるものがあり、奇しくもここに来る前の疲労した私自身の姿に重なるものがあった。しかし、どうして彼女がここへ……?
「ふむ。リリカ殿、よく参られた……彼女を同席させた理由は聞くまい。ではそちらの席に着かれよ。話を始めよう」