【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
あんな姿を見ると、つい次の王になるのは彼でない方がいいのではと思ってしまう。私がもしそれを選ぶ立場にあったなら、間違いなくギーツ様ではなくその下の第二王子レセル様を推しただろう。
彼には昔病弱な御身体の調子を整えるために、いくつかの薬の継続的な服薬や食事指導などを行ったことがあったのだけど、女性的な顔立ちの、穏やかで誰にでも礼節を尽くす聡明な少年だった。今はあまり噂は聞かないけど、お元気にはされているようなので、また機会があればご挨拶させていただきたいものだ。
「そなたの妹君がなだめなければ、あの様子ではしばらくは話し合いは纏まらなかったじゃろうな。ふむ……しかしあの娘も、腹の底は何を考えているのやら」
そんな回想から私の意識を引き戻したのは、不審そうにした陛下の呟きだ。
それには殿下も同意する。
「元々ギーツ殿はエルシアの婚約者だったのだろう? それを君が必死に働いている裏で隠れて通じ合っていたというんだから、おおよそ信用できる人物ではないだろうね。何を企んでいるのかはわからないが、向こうに戻った後もちゃんと身の回りには気を付けないと駄目だよ?」
「ええ……そうですね」
彼には昔病弱な御身体の調子を整えるために、いくつかの薬の継続的な服薬や食事指導などを行ったことがあったのだけど、女性的な顔立ちの、穏やかで誰にでも礼節を尽くす聡明な少年だった。今はあまり噂は聞かないけど、お元気にはされているようなので、また機会があればご挨拶させていただきたいものだ。
「そなたの妹君がなだめなければ、あの様子ではしばらくは話し合いは纏まらなかったじゃろうな。ふむ……しかしあの娘も、腹の底は何を考えているのやら」
そんな回想から私の意識を引き戻したのは、不審そうにした陛下の呟きだ。
それには殿下も同意する。
「元々ギーツ殿はエルシアの婚約者だったのだろう? それを君が必死に働いている裏で隠れて通じ合っていたというんだから、おおよそ信用できる人物ではないだろうね。何を企んでいるのかはわからないが、向こうに戻った後もちゃんと身の回りには気を付けないと駄目だよ?」
「ええ……そうですね」