【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
いつぞや王都に付いてきてくれた時に聞いたんだけど、メイアとミーヤは王城に勤める侍女の嗜みとして宮廷剣術を修めた優れた剣士でもあるんだって。しかも若いながらかなりの腕前らしく、そういうこともあって殿下は私に二人を付けていてくれたのかなと、今になって感謝する。
そんな彼女は王国の所有品である立派な馬車の内装――分厚い本革張りのシートや中央に付き立つ古木製の円形のテーブルなどを撫でさすり、あちらへ行ったりこちらへ行ったり楽しんでいる。
揺れる車内でもしっかりと立てるそのバランス感覚は大したものだけど、ミーヤがいたらきっと叱られていたことだろう……。その内彼女は金箔で飾られた窓枠に手を掛け、隣を並走する馬車を見てうっとりと言った。
「それにやっぱり馬ですわ。あのつぶらな瞳を見てくださいまし。品があって優しそうで……あのがっつき屋の騎竜どもとは全然違いますわ」
「いいじゃない、竜は竜で……その、強そうだし。目だってこう、野生って感じでさ。元気が有り余ってそうな感じするもの」
私が目元の端を吊り上げて顔真似をして見せると、メイアはキッと振り返って言う。
そんな彼女は王国の所有品である立派な馬車の内装――分厚い本革張りのシートや中央に付き立つ古木製の円形のテーブルなどを撫でさすり、あちらへ行ったりこちらへ行ったり楽しんでいる。
揺れる車内でもしっかりと立てるそのバランス感覚は大したものだけど、ミーヤがいたらきっと叱られていたことだろう……。その内彼女は金箔で飾られた窓枠に手を掛け、隣を並走する馬車を見てうっとりと言った。
「それにやっぱり馬ですわ。あのつぶらな瞳を見てくださいまし。品があって優しそうで……あのがっつき屋の騎竜どもとは全然違いますわ」
「いいじゃない、竜は竜で……その、強そうだし。目だってこう、野生って感じでさ。元気が有り余ってそうな感じするもの」
私が目元の端を吊り上げて顔真似をして見せると、メイアはキッと振り返って言う。