【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「やつらは、噛んで来るんですのよ! ガブッと!」
「そんなの馬だって噛むわよ、多分……」
メイヤは何か騎竜に嫌な思い出でもあるのかもしれなかった。
それはそうと、車窓から見える風景に対してあーだのこーだの言っている内にあっという間に時間は過ぎ、抗争地帯を抜けてセーウェルトらしい風景が見えてくる。ジュデットと比べると、皆そこまで奇抜な姿はしておらず、故郷だというのに何だが少し物足りなさを感じてしまう。
たちまち退屈になった私は、隣でそれを物珍し気に眺めていたメイアに話を振った。
「でもよかったの? ミーヤを置いて、私なんかに付いてきて」
「元々エルシア様の話を聞いてセーウェルトには行きたいと思ってましたし、それにこれはミーヤからの頼みでもあるのですよ? お人よしで自分を犠牲にしがちなエルシア様には誰かが付いていないと、ということです」
「そ、そんなことないんだけどな」
ぱちりと片目を瞑ったメイアの言葉に、そんなことを最近誰かさんにも言われたばかりな私は、なんだかちょっと照れてしまった。
「そんなの馬だって噛むわよ、多分……」
メイヤは何か騎竜に嫌な思い出でもあるのかもしれなかった。
それはそうと、車窓から見える風景に対してあーだのこーだの言っている内にあっという間に時間は過ぎ、抗争地帯を抜けてセーウェルトらしい風景が見えてくる。ジュデットと比べると、皆そこまで奇抜な姿はしておらず、故郷だというのに何だが少し物足りなさを感じてしまう。
たちまち退屈になった私は、隣でそれを物珍し気に眺めていたメイアに話を振った。
「でもよかったの? ミーヤを置いて、私なんかに付いてきて」
「元々エルシア様の話を聞いてセーウェルトには行きたいと思ってましたし、それにこれはミーヤからの頼みでもあるのですよ? お人よしで自分を犠牲にしがちなエルシア様には誰かが付いていないと、ということです」
「そ、そんなことないんだけどな」
ぱちりと片目を瞑ったメイアの言葉に、そんなことを最近誰かさんにも言われたばかりな私は、なんだかちょっと照れてしまった。