【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
グラスの中には琥珀色の液体が泡を立てている。あらかたの作業が終わり、聖堂の奥では慰労会のようなものを内輪で開いている。酒精の強いものは控えるよう伝えてあるし、中身はシャンパンか何かだろう。
彼女はそれを私たちに差し出し、ニコリと微笑む。
「そうね……」
少しだけ嫌な予感はした。
私の心の中のリリカへの警戒心は未だ拭い去れてはいない。
でも、ここ最近の真面目に仕事をこなす姿を……聖女としての力は行使できなくとも、裏方でメイアと共に荷物を運んだり、患者への応対を進んで受けていた姿を見ていたから。
なにより、私は彼女も変わり始めているのだと……殿下とミーミル王女のあの姿を見ていたからこそ、そう思いたくて……。
だから、信じた。
彼女はそれを私たちに差し出し、ニコリと微笑む。
「そうね……」
少しだけ嫌な予感はした。
私の心の中のリリカへの警戒心は未だ拭い去れてはいない。
でも、ここ最近の真面目に仕事をこなす姿を……聖女としての力は行使できなくとも、裏方でメイアと共に荷物を運んだり、患者への応対を進んで受けていた姿を見ていたから。
なにより、私は彼女も変わり始めているのだと……殿下とミーミル王女のあの姿を見ていたからこそ、そう思いたくて……。
だから、信じた。