【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「ふん、裏切り者の大罪人めが、面を上げてみせい。よもやセーウェルト王国で聖女として厚遇されし者が、魔族などと通じようとは……」
「お願いですから、申し開きをさせて下さい! 色々と事情があったのです! それに……魔族の方々は伝承のような悪しき存在ではありません! 私の身を死の淵から救い、とても丁重に扱って下さいました!」
私は勇気を出して顔を上げ、セーウェルト王に懇願する。
「陛下、どうかお慈悲を! 今回の件に私の家族は関係ありません……裁きを下すのであれば私のみに! そして魔族を……ジュデットの民の迫害を止め、彼らと誼を結んでください!」
「ええい、黙らぬかっ! もうよい……。貴様はこの場で手打ちにし、今回の件を収めてくれよう!」
憤然と立ち上がったセーウェルト王が、臣下の腰から強引に剣を奪い抜き放つ。
広間は騒然し、誰もが息を呑んでその成り行きを見守った。
白刃が二、三度目の前で振るわれ、私の髪が数本はらりと地面に落ちる。
「お願いですから、申し開きをさせて下さい! 色々と事情があったのです! それに……魔族の方々は伝承のような悪しき存在ではありません! 私の身を死の淵から救い、とても丁重に扱って下さいました!」
私は勇気を出して顔を上げ、セーウェルト王に懇願する。
「陛下、どうかお慈悲を! 今回の件に私の家族は関係ありません……裁きを下すのであれば私のみに! そして魔族を……ジュデットの民の迫害を止め、彼らと誼を結んでください!」
「ええい、黙らぬかっ! もうよい……。貴様はこの場で手打ちにし、今回の件を収めてくれよう!」
憤然と立ち上がったセーウェルト王が、臣下の腰から強引に剣を奪い抜き放つ。
広間は騒然し、誰もが息を呑んでその成り行きを見守った。
白刃が二、三度目の前で振るわれ、私の髪が数本はらりと地面に落ちる。