【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「私は彼女を見捨てることなど絶対に出来ない! 一人でも行きます!」
殿下の緑色の瞳が、陛下のものと交錯する。
しばし陛下は眉根に指を当てていたが、やがて……諦めたように呟いた。
「……わかった、兵を連れてゆけ。しかし、決して軽々しく戦闘に及ぶなよ。まずは刺激せず、セーウェルトの民に呼びかけるのだ。同じ自国の聖女を救おうというのだ。言葉を尽くせば分かってもらえるかも知れん。儂は周辺各国にセーウェルト国王への交渉の仲立ちを頼めぬか依頼してみる」
「心得ました。では……」
「お兄様!」
王妃様の腕に抱かれ涙を溜めていたミーミル様が殿下に走り寄り、その服を掴んだ。
「絶対に、エルシアを連れて無事で帰ってきてね……」
「……! ああ、任せろ。約束する」
殿下の緑色の瞳が、陛下のものと交錯する。
しばし陛下は眉根に指を当てていたが、やがて……諦めたように呟いた。
「……わかった、兵を連れてゆけ。しかし、決して軽々しく戦闘に及ぶなよ。まずは刺激せず、セーウェルトの民に呼びかけるのだ。同じ自国の聖女を救おうというのだ。言葉を尽くせば分かってもらえるかも知れん。儂は周辺各国にセーウェルト国王への交渉の仲立ちを頼めぬか依頼してみる」
「心得ました。では……」
「お兄様!」
王妃様の腕に抱かれ涙を溜めていたミーミル様が殿下に走り寄り、その服を掴んだ。
「絶対に、エルシアを連れて無事で帰ってきてね……」
「……! ああ、任せろ。約束する」