【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
姉が静かに言葉を紡ぎ、聖女の力を使う時のようにその身体が仄かに輝くと、光の粒子が漏れ始める。それはゆっくりと空中にわだかまると、光の筋を作り徐々に、こちらへと流れてくる。わたしは胸の中に温かいものが注がれてゆく感触をしばし味わう。
「ああ、これが姉様の力なのね……。うふ、ふふふふ……」
「おお……聖女の光がリリカへと吸い込まれてゆく」
ギーツ様と父上も目を見張る中、それは数十秒の時間を経て、最後の一滴までをわたしの内側へと注ぎ込んだ。
「あは……ははは」
ふいに、笑いの衝動がこみ上げる。
なんて、なんて愉快な気分なんだろう!
「あは……ははっはははははっ! はぁ、はぁ……。これで、あんたにはもう何もない。全部奪ってやった! 聖女でもなんでもないただの凡俗な女へと成り果てて、ああなぁんて惨めなこと! あんたに優しくしてくれたあの魔族のやつらだって、もう見向きもしないわ!」
「…………」
「ああ、これが姉様の力なのね……。うふ、ふふふふ……」
「おお……聖女の光がリリカへと吸い込まれてゆく」
ギーツ様と父上も目を見張る中、それは数十秒の時間を経て、最後の一滴までをわたしの内側へと注ぎ込んだ。
「あは……ははは」
ふいに、笑いの衝動がこみ上げる。
なんて、なんて愉快な気分なんだろう!
「あは……ははっはははははっ! はぁ、はぁ……。これで、あんたにはもう何もない。全部奪ってやった! 聖女でもなんでもないただの凡俗な女へと成り果てて、ああなぁんて惨めなこと! あんたに優しくしてくれたあの魔族のやつらだって、もう見向きもしないわ!」
「…………」