【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
考えていても答えは出ず、毒の後遺症か喉が腫れて声が出せない私が口をぱくぱく開けると、彼はなんとなくそれを読み取ってくれたようだ。
「ふむ……あまり病人を驚かせたくはないのだがな。起きたばかりで混乱しているだろうが、心して聞くがよい。ここは……」
彼がそれを教えてくれようとした声は、途中でノックに遮られる。
白髪の彼は私を少し待たせると、その場から離れていく。
扉が開かれ、話し合う声が聞こえてくる。
「殿下、あの者が目を覚ましました」
「本当か!? よかった――」
次いで走る足音がして、ひとりの青年が姿を見せる。
それは紛れもなく、あの時私を野盗から救ってくれた人だ。
「ふむ……あまり病人を驚かせたくはないのだがな。起きたばかりで混乱しているだろうが、心して聞くがよい。ここは……」
彼がそれを教えてくれようとした声は、途中でノックに遮られる。
白髪の彼は私を少し待たせると、その場から離れていく。
扉が開かれ、話し合う声が聞こえてくる。
「殿下、あの者が目を覚ましました」
「本当か!? よかった――」
次いで走る足音がして、ひとりの青年が姿を見せる。
それは紛れもなく、あの時私を野盗から救ってくれた人だ。