【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「だが、わしにも情けというものはある。エルシアよ、自分のした過ちを認め、悔い改めるがいい。もし貴様がここで、魔族との関係を持ち、奴らがいかに悪辣非道、野蛮な民族であるかを語って見せよ。さすれば我が慈悲として、命ばかりは救ってやろう」
民衆たちの間から悲鳴のようなざわめきが聞こえてくる。
セーウェルト王の声が徐々に熱を増してゆく。
「さあ、言うがよい。魔族は人間の敵であると。奴らには一片の情すら無く、低劣な品性のまま欲を貪ることしか考えられぬ、我々と同列におかれることすらおこがましい、劣等種族であると、ここで宣言するのだッ!」
急かすように、王が私の目の前で錫杖を地面に叩きつけ、石畳を砕く。
破片が頬を傷つけ、血が流れるが……今の私にはそれを自力で治すことも出来ない。
私はその場に立ち上がり、処刑台の前へと進み出た。
「そうだ! それでよいのだ! さあ言え! いかに自分が魔族の国で非情な扱いを受けたか! 奴らがいかに卑俗な種族であるのかを!」
民衆たちの間から悲鳴のようなざわめきが聞こえてくる。
セーウェルト王の声が徐々に熱を増してゆく。
「さあ、言うがよい。魔族は人間の敵であると。奴らには一片の情すら無く、低劣な品性のまま欲を貪ることしか考えられぬ、我々と同列におかれることすらおこがましい、劣等種族であると、ここで宣言するのだッ!」
急かすように、王が私の目の前で錫杖を地面に叩きつけ、石畳を砕く。
破片が頬を傷つけ、血が流れるが……今の私にはそれを自力で治すことも出来ない。
私はその場に立ち上がり、処刑台の前へと進み出た。
「そうだ! それでよいのだ! さあ言え! いかに自分が魔族の国で非情な扱いを受けたか! 奴らがいかに卑俗な種族であるのかを!」